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御嶽山・中央アルプス(木曽駒ケ岳〜空木岳)縦走


2010年9月30日投稿


ACKU例会山行(特5回)報告
 報告・写真 田中信行

期  日;平成22年8月29日(日)〜9月3日(金)
メンバー;小谷辰雄L、壺阪祐三、高田和三M、本澤武次、田中信行(5名)
留守本部;井上薫(企画)

山雲さんが詠んだ俳句

 やっとまあ 秋の香嗅いだ 御嶽山

 夏雲の 頂き越えて 剣ケ峰

 飯中の 夏季学習と 合小屋す

 義仲の 力水ひんやり 疲れ去る


はじめに


ここ数年来、井上薫兄がシニアメンバーによる夏山縦走を企画してくれた。最初は2006年8月の蓼科山・八ケ岳縦走(赤岳〜横岳〜硫黄岳)でした。次は2年後の2008年8月の南アルプス白峰三山縦走(特4回)、2009年8月の西穂高〜奥穂高〜槍ケ岳縦走(第133回)と続きました。幸いにも無事故で踏破出来、お互いに健康長寿を寿いできました。今夏の御嶽山・中央アルプス縦走も井上薫兄による企画でしたが、出発前にご親族にご不幸があり、残念ながら参加を断念されました。

今回、私は御嶽山頂上で72歳の誕生日(8月29日)を迎えられるというご縁に感謝し、参加を決断しました。

山行記録

(注記: 写真クリックにていくつかのショットは拡大します)


8月29日(日)快晴


 マイカー2台(壺阪車、田中車)が名神高速・草津PAで合流(8:15)中央道・中津川ICを目指す。日曜日(千円に割引)なので混雑を予想したがスムーズにドライブ出来た。国道19号線(木曽街道)を北上し、王滝村のそば屋「さくら」で昼食(12:30)。御嶽山の登山口(田の原駐車場)にマイカーを駐車(13:30)する。



(1) 田の原天然公園内にある御嶽山遥拝所を参拝


先発組(本澤、田中)が参拝してる間に、先を急ぐ後発組(小谷、壺阪、高田)に追い抜かれる。登山中、御嶽山マラソン参加メンバーに何度も出くわし道を譲る。本澤兄が猛暑で熱中症気味となり大幅にスピードダウンする。後発組は順調に登高を重ね、日没前に御嶽山頂上山荘に着いた(17:30)。



(2)「大のぞき」の登りで見事な夕焼け雲を観察


やがて日没を迎えた。余りにも遅いと山荘から助っ人2名が出動、出合うなり夜間登山は危険と説得され(18:30)、後発組の二人は手前の王滝頂上山荘泊り(19:10)となった。

8月30日(月)快晴

 4時半に起床、モルゲンロートを撮影するべく羽毛服を着て山荘を飛び出す。



(3) 雲海に浮かぶ八ケ岳連峰の空が黄金色に輝き、御来光を拝む


6時山荘を出発、7時過ぎに御嶽山頂上山荘で待機中の小谷兄、壺阪兄、和三兄と合流、立派な石段を上がって御嶽神社奥社を参拝する。




(4) 御嶽・剣ケ峰頂上で記念写真




(5) 宝剣岳の岩稜をバックに記念写真

左から小谷、本澤、高田和、壺阪、田中信

8時下山開始し、2時間半で田の原天然公園駐車場(登山口)に着いて休息を取る。和三兄持参のコンロで湯を沸かし、コーヒーを賞味する。

マイカー2台で次の目的地の駒ケ根高原に向かう。正午、昼食は百草園レストランで名物のざるそばを賞味する。木曽路を北上し、開通ほやほやの権兵衛トンネルを通り抜け伊那市に出る。猛暑の中、高遠城址公園を見学してから駒ケ根温泉ホテルにチェックインする。(15:00)


 

8月31日(火)快晴

ホテル前の切石公園バス停で乗車(7:10)、約50分で終点の駒ケ岳ロープウェイ・しらび平駅に到着。ロープウェイに搭乗、約10分で日本一高いという千畳敷カール千畳敷駅(2,612m)に到達。正面に宝剣岳が聳え立ち、アルプスのど真ん中の景観に圧倒される。

体調が優れない本澤兄は縦走を断念、4人で出発する(8:30)。八丁坂の急登はシビアーだったが50分余で乗越浄土(コル)に上がれた。広い稜線を辿って宝剣山荘(泊り)に到着する。(9:30)

暫し休憩後、空身で中岳を経由して駒ケ岳の頂上着く(11:00)








権兵衛トンネル:  http://www.pref.nagano.jp/doboku/douken/gonbee/gonbepass.htm



(6) 駒ケ岳頂上(2,956m)で記念写真


3000mの山頂というのに全然涼しくない。今年の猛暑は本当に異常だ。帰路は横手コースを選択、鎖場もあり結構アルペン気分を楽しめた。宝剣山荘前の石畳の上でティータイムを満喫する。宝剣山荘の泊りは、百人近い学習登山グループ(飯田中学校)と合い部屋となるも、途中で我々は個室に移される。

9月 1日(水)快晴

 今日は中央アルプス縦走(宝剣岳〜檜尾岳〜熊沢岳〜木曽殿山荘)に挑戦だ。
我々は平均年齢70歳のロートル部隊、標準時間で400分、休憩や昼飯を含めると1.3倍(高田和兄)から1.5倍(田中信ペースで10時間)掛る目論見を立てる。
6時、宝剣山荘を出発。いきなり30分余の岩場登攀となる。緊張感に包まれるも楽しい縦走スタートとなった。頂上はオベリスク状の大岩で根元に祠が祭られていた。



(7) 宝剣岳頂上から千畳敷カールを見下ろす



(8) 宝剣岳頂上直下の岩場を登る小谷兄


 下りは難ルートとの説明だったが、岩場には真新しい鎖が充実しており、安心して下降できた(7:15)。極楽平を抜け島田の娘頭までは緩やかな尾根筋の楽な登りだったが、下りからは痩せ尾根に一変し、西穂岳から奥穂岳レベルの難度となった。濁沢大峰の鞍部で大休憩し、和三兄からインスタントラーメンを馳走して頂く。元気を取り戻し、2つの岩峰をアップ・ダウンして中間地点の檜尾岳に着く(11:30)。




(9) 檜尾岳頂上にて記念写真


 次なる目標の熊沢岳の登りは鎖場の連続だった。段々疲れが溜まってくる。俗に熊沢五峰と呼ばれるピークのアップ・ダウンは息絶え絶えであった。




(10) 熊沢岳から左手に空木岳の雄姿を望む

右手前は東川岳、その後方はガスに包まれている南駒ケ岳

 眼前に聳え立つピラミッド状の空木岳は迫力満点だった。東川岳を通過すると最後の下り、鞍部に小屋が見えて一息つく。目論見通りのタイムで木曽殿山荘に着く(16:00前後)。

9月 2日(木)快晴

 6時前に山荘を出発、いきなり岩場の直登になった。寝酒が過ぎた小谷兄は体全体からアルコール臭を漂わせている。苦労しながら二つの岩峰の岩場を登り続ける。山荘主人のアドバイス通り、三つめ岩峰が百名山の空木岳(2,864m)だった。1時間半のしんどいアルバイトで頂上に立てた(7:45)。



(11)空木岳頂上で記念写真、左から田中信、高田和、小谷、壺阪




(12) 空木岳頂上でポーズを取る壺阪兄

 30分の写真・タバコ休憩後、池山尾根ルートで下山する。駒峰ヒュッテを過ぎると素晴らしい展望の天空の散歩を満喫出来た。中でも巨石の自然造形物「駒石」は印象に残った(9:00)。



(13) 駒石を前にすると小さく見える小谷兄、高田和兄



(14) 駒石の前でポーズをとる田中信



(15) 二度と来ることはないと空木岳に別れを惜しむ壺阪兄


 ヨナ沢の頭で昼食(10:50)。小地獄・大地獄の悪路は鎖場とハシゴの連続だった。樹林帯に入り、新池山小屋で休息(13:00)。



(16) 新池山小屋前で縦走の疲れを癒すティータイム

鷹打ち場でやっと携帯電話が通じ、タクシーを手配する。三本木地蔵を過ぎた林道でタクシーに乗車、駒ケ根温泉ホテルにチェックイン(15:30)。先ずは縦走完走を祝しビールで乾杯、温泉に飛び込み山旅の疲れを癒す。

9月 3日(金)快晴

朝8時、2組に分かれてホテルを出発。壺阪・本澤組は馬篭・妻籠の観光、小谷・高田和・田中信組は天竜川下りを楽しんだ。(了)


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